【つぶやき】原書に対するリスペクト
本来こちらのタイトルが書きたかったことであり、曲に対するアレコレは主題に対する導入でしかなかったはずですが、書いてみたらそれなりに長くなり、結構言いたいことがあったんだなと。そもそもこういうことは友人間のやり取りで済ませるべき内容ではあるのですが、ジャンルによって芳しくないことってあるでしょ?今回はそんな感じで、要するに聞いてくれる人もいないのでここで書き殴っちゃえ、てことです
誰の反論も許されない環境で好きなだけ書きなぐるのは歪んだ万能感につながるので良くないんでしょうが、個人の一意見なので当然瑕疵や偏見が入り混じりますよ、そんなこと分かって書いてますよって文章にわざわざ突っ込みいれられるのも野暮だと思うので。ネット上の誹謗中傷問題とかとにかく余裕のない輩が多いし、全くの他人にちょっとした間違いでマウント取られるの鬱陶しいでしょそういうことです
で、タイトルです。最近漫画を全く読まなくなりほぼ字ばかり読んでるのですが。その中には和書だけではなく当然洋書も含まれますが、おれさまは美輪御大や宇多田ヒカルほど賢くないので日本語しか読めません。しかし日本ではかなり多くの専門書に至るまでに和訳がついているという、本好きにとっては非常に恵まれた環境であるので読むことには苦労しません。しませんが…和書に比べて洋書っていろいろ難しいなあと思うのですこれが主題
おれさまが人生で最初に手に取った洋書と言えば「すてきなさんにんぐみ」要は絵本です。それから成長するにつれてグリム童話とか十五少年漂流記だとか、そういったものになりがちなのが日本の子供でしょうがおれさまは違います。まあそこらも読みはしましたが、それより早くに手に取ったのが社会思想社刊ゲームブック「火吹山の魔法使い」多分これ。初めにハマったのがこれ系なので、和訳された洋書とはこういうものだと疑問とか特になく普通に読んでいました
で、大人になり普通の日本語小説なんかも読むわけですが。和訳された洋書に比べるとものすごく読みやすい、というかどんどん先に進めてしまう。文章自体は翻訳された洋書の方が簡潔なのに、何故が読み進むのに時間がかかるというか、勢いをそがれるというか、どうも不思議な現象に陥ることが多々あることに気がつきました。一応興味のあるテーマに重点を置いて読んではいますが、同じテーマでも和書と洋書では進み加減がかなり違う、これは本好きにとってはどうなの?標準なのでしょうかね
時にゲームブックは指輪物語かハリー何とかかどっちでもいいですがファンタジーがもてはやされた影響で、最近一部人気作品が再版されまして。初版本がかなり痛んでいたので喜び勇んで買いました、買いましたが…そこには昔に感じた世界はありませんでした。理由?翻訳者が違うんですよ!「あなた」が「君」になるだけでこんなに印象変わるとか思っていませんし、昔読みこんだものとはいろんな意味でイメージが乖離してしまい、ああなんかこれ無理だわってなった。オーケストラで指揮者が違うだけでああこれ無理って思うのと同じように、なんというアハ体験!
そこでおれさま訳者というか訳そのものの重要性にぶち当たる。日本語しか読めない以上どうしようもないものの、原書に翻訳者が挟まるだけでかなりハードルが上がってしまう可能性は否定できないのかなと。翻訳者は小説家ではないのだし、文章力に過度な期待をするべきではない。くわえて原書の内容から逸脱することが許されない以上無難な表現になりがちなのもわかります。そして上記のように合う人合わない人がいるかもしれないし、そもそも原書自体にどこまでの文章力が備わっているのかも分からないわけですよ。日本語なら作家独自の文体とか言い回しとかが独特の味だったりしますが、翻訳家にその味を出せっていうのは無茶ぶり甚だしいわけで
そして美輪御大や宇多田ヒカル、そしてあまたの翻訳家の方々は偉大だって話になります。昔は和訳された書籍の原書をわざわざ取り寄せて読むとか、原曲をわざわざ和訳するとか言い出す人をマゾとしか思えませんでしたが、突き詰めるとそうなるよねっていう。他人を介している時点で、もう作者の伝えたい主題がいくぶん損なわれている気がするし、自分で訳してこそいろいろ伝わるものがあるに違いないし、作者ならではの言い回しとかもきっとそこで見つけることができると思います。早くにそこに気づいた本好きが翻訳家って仕事に就くんだろうなと思うと羨ましい限りではあります
スーザン・ボイルのように40代後半で夢をつかめる人はいますが、さすがに今から原書翻訳とか無理よ無理無理かたつむり。今現在絵より小説の方に興味が移っているので、若いころの選択を誤ったなぁと思うしかありません。メジャーな書籍だと有能な翻訳家がついてかなり読みやすくもなってそうですが、そういうのあまり読まないもんですから。合う指揮者を探すのと同じように、合う翻訳家を発掘するのも醍醐味だったりするのかもしれませんね